わっさわさ

セカンドシーズン

和装はコスプレ(mm)

和装で町を歩くと、色んな人に声を掛けられることがある。

主には、年配のおば様であることが多い。

 

「お嬢さん、帯を直していいかしら」と、

帯の形や、着付けに口を出されることもあれば

「素敵ね、着物はいいわね」と目を細められることもよくある。

皆なにかを懐かしがっているように見える。  

 

先日は、電車に乗っていたら向かいに座っていたおばあさんが、私の隣の席が空いた瞬間に私の隣に席をうつしてきた。

その日は、呉服屋さんでオリジナルで作ってもらった和装用の上着を着ていたのが目をひいたらしい。

 

「お嬢さん、ちょっといい?

これ、どうやって作ったの?」と言って、

私の上着を触ってきたのでとてもびっくりした。

「これは自分で反物の生地を選んで、作ってもらったんです。」と言うと、

ますます目を細めて「いいわね。この裏生地も見せて。」と、すごい勢いで私の上着を触っていた。

 

「素敵だわ。趣味を活かして生きていかないと!私の娘も着物が好きなの。」と話し、まだ質問を続けようとしたが、私は降りる駅についてしまったので、ことわってから降車した。

 

別に私の場合は趣味な訳でもないのだが、

おばさま、おばあさま方の和装への思いはひとかたならぬものがある。でも自分で着ているわけでもないのだが、若者が着ているとすごく気になるらしい。

 

でも一番慣れないのは、外国人観光客による一方的な撮影だ。

着物を着ている人を撮りたくて、こちらにカメラを向けて一方的にシャッターを押される時の気持ち悪さと言ったらない。

一言、写真とってもいいですか?と言ってくれたら、私も応じるのに、何故知り合いでもない人に無断で撮影されなければならないのだろう。

突然撮影されると、嫌だなと思うので足早にそこを去るのだが、ニッコリ笑うこともできないし、怒った顔を撮影されるのも嫌なので、

とにかく世界中の全ての人は無断の撮影はやめてほしい。最悪の気分である。

 

しかしこれは、外国人観光客だけとも限らない。

一番気持ち悪かったのは、日本人のおじさんで、「綺麗な着物を着ている!」とブツブツ言いながら写真を撮って追いかけてきたことだ。

 

スマホで写真が撮れるようになり、手軽になったとは言え、被写体への配慮もないのには呆れる。

よく勝手に撮影される芸能人などには、私は絶対になりたくないなと思った。

 

でも、洋服を着ている時に無断で撮影されたことはないので、和装はやっぱりコスプレなんだなあ。まあ随分とお金のかかるコスプレではあるが。