わっさわさ

セカンドシーズン

自己学習から得る虚無@ジュリ

子供の幼稚園入園によって2年ぶりに自由な時間を手に入れたのでスペイン語の勉強を始めてみた。COVID-19がなければ、やってみたい習い事は幾つかあったけれど今はあまりアクティブに外出をしたくないので、家の中で出来る暇つぶしを考えた結果辿り着いたのが語学の勉強だった。


海外で暮らしている時にも必要に迫られてスペイン語の勉強を試みたけれど、週に23youtubeで勉強用動画を見るくらいで机に向かっての勉強は全くできなかった。慣れない異国の地で、朝7時に子供が起きてから21時に寝つくまで全ての育児を1人でしながら家事をこなしていた私には、21時からの時間を学習に費やす気力は最早残っていなかったのだ。でも当時の私はそんな自分を努力の足りない怠け者だと感じていて、きっとこの性分は一生変わらないだろうからこの先の人生で学びの時間を持とうと思うことすら烏滸がましいことだと信じていた。


そんなわけでこの4月から自分1人のために使える時間が急に与えられた時、この機会にちゃんとスペイン語を勉強してみようと思ったけれど、きっと続かないだろうなとも思っていた。それでも他にやることもないので始めてみたら、なんだかんだで1ヶ月以上続けることができている。毎日机に向かうのも全く苦ではなく、むしろ楽しい。

今なら分かるが、海外で暮らしていた頃の私は常に緊張していて新しい知識を得ようとする心の余裕がなかった。例えば子供が怪我をした時、日本にいれば119番に電話したり今開いている病院を調べてタクシーを呼んだり、ということが当たり前にできるけど、異国の地ではそれができない。だから常に「子供が怪我をしないようにちゃんと見ておかなきゃ」という緊張感を1日中持ちながら過ごしていた。今は、家族がそばにいてくれて一緒に子育てしてくれるし、子供も幼稚園という新しい世界で楽しく過ごしてくれているから気持ちの余裕ができて、脳の容量が格段に増えた気がしている。


勉強をする上で決めていることは「11分でも良いからやる」「焦らずゆっくりやる」のふたつだけ。テキストも、文法・単語・作文・会話・動詞活用ドリルの中からその日にやりたいものを気分で選ぶようにしている。正しいやり方ではないかもしれないけど、楽しくやれてるからそれでいい。今は毎日大体2時間くらい机に向かってるけど、この先時間が減っても良いと思ってる。時間が減ってもいいから、とにかく毎日勉強を続けて23年後くらいに簡単な意思疎通ができるレベルに成長してできてればいいな、という気持ちでやってる。

今までは「自己学習=可処分時間を有意義に使う方法」と思ってたけど、実際毎日勉強するようになると有意義とは程遠く「なんか今日も勉強しかしてへんな。」という虚無感に襲われるようになることを知った。映画館で映画を観る方がよっぽど充実感を得られる気がする。だから無理に長時間勉強して虚無感に飲み込まれないよう、自分のペースで少しずつ学んでいけたらいいな。


今の一番のモチベーションは、スペインに旅行に行くこと。夫もラテンアメリカスペイン語がどこまで通じるか試してみたいらしい。来年の家族旅行で行けるかな。