わっさわさ

セカンドシーズン

母の価値観(mm)

私の母は強烈である。

でもきっとこの性格は後天的なものだと、私は思っている。

 

先日、私は旦那と一緒に祖母のお見舞いに行った。もう何度か一緒に来てくれているのだが、

母にはそのことが信じられないらしい。

「あんたの旦那、何で一緒にお見舞いに来てくれるの?」と言う。

「何でって、私のおばあちゃんだからでしょ。」と返す私に、

母は「信じられない。」と呟いた。

そして「私のときはそんなこと一度だってなかった」と続けた。

 

父親はまったくもって、自分の好きなことしかしない人だった。

何で結婚したの、と聞くと

そういう豪快な人が好きだったからと言っていたことがある。

 

家に帰ってこない、好きなだけお酒を飲む、好きなだけ女遊びをする。

結婚後すべての形で裏切られた母に出来上がった価値観は、

「自分の力しか信用しない」であった。

 

今でも徹底的に他力を利用しない母。

自分の力の出せる限りを使い、

頼れるのは自分しかいないと豪語する。

私が代わりにやった仕事を見て、感謝などすることなく「やっぱり私がやれば良かった。私がやった方がクオリティが高い」と平気で言う。

そういう態度に昔はよく苛々したけれど、彼女には、その彼女が作られたストーリーがあったんだよなあと思う。

 

私なら、クオリティが多少低くてもやってくれた人を褒める。褒めて、少しずつ出来映えがよくなるように研鑽を積んでもらう。

だって全部自分でやったら、大変だもの。

でも彼女には一生そんな選択肢など、生まれてこないのだと思う。他人に頼むと、裏切られる。これが彼女の大きな価値観になってしまっている。